浩介は   ④

 そう言えば古い友人達とも長く会っていない、葬式以後会ってないのかも知れない。そのことに不自由も寂しさも感じなくなった。美智子が生きていたらきっと言うだろう
「変わったわね、あれだけ会っていたのに」と。
その度に
「人は変わるものさ」と嘯いていたが
今はそんな話をする相手もいない。美智子がよく行っていた食品スーパーに週一回は行く、行った日は刺身を買ってくる、あとは適当に買って献立している。元々料理は出来るしなんでも器用なほうだった。
人は生まれる時も一人、死ぬ時も一人よ〜と節をつけて歌った。明日は坊勢に行こう、と。

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