読了

530ページ、「スクールボウイ閣下」読了。
裕福な夫婦、奥さんが昼間殺された。犯人は激情にかられた配達員だった、では物語は終わる。
奥さんはたまたまシャワーの後で薄い下着だった、配達員には愛人がいて、その愛人には
お金持ちのスポンサーが居て、愛人にはやくざな弟が居た。とまあこういう風にならないと
小説は成り立たない、面白くない。
「猫が布団に座っていた、これではだめで猫は犬の布団に座っていた」でないと小説にはならない
とル・カレは言う。
確か4回目だと思うが、なぜ読むか。
舞台は70年代の香港である。ベトナム戦争、クメールルージュ、冷戦時代、世界がまだ
胎動していた時代である。
このころ、少し後に私の初めての海外旅行香港がある。だから面白いのだと思う。
東シナ海の風、アジアのヨーロッパ、大陸のはずれ、いろんなキャプションの中で、
蠱惑的、未知の世界、スージーウオン、人種の坩堝、香港が面白いとなった。
ル・カレはカンボジアにも、当時クメールルージュが殺戮を始めていた時代に、取材に行っている。
その、リアルな世界の描写もこの小説に重みを与えているのだ。
私は未熟だが、彼の回りくどい、しかしそれでしか表現できないレトリックが好きだから、真似をしたものだ。
裏表紙中に
「一度進み始めたら、海に行きあたるまで進むんだ」と書いている、私の字で。
1995年とある。この当時私は非常に苦しい時期だった、はずだ。金銭的にも精神的にも。

ダナン

サイゴン(ホーチミン、大統領官邸)
ここから5分に戦争記念館、私が泣いた。

カンボジア

Hong Kong

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