ハンガンの詩集から

 「引き出しに夕方をしまっておいた」の中に"青い石"と言うのがある。
 十年前 夢の中でみた
 青い石
 まだあの川の中にあるだろうか

で始まる詩。この青い石は「命」か「望」か「愛」か。詩はその人にとって心の底にあるイメージの連なりを前後の関係無しに、つまり途切れ途切れの画像を自分の言葉に起きかえるという過程を経た結果である、とするなら詩から受けるイメージに共鳴出来るのは画像から同じような体験を思い出すからだろう。ハンガンさんは1970年生まれ、辛うじて同じ文明を受けられたかもしれない、と考えるのは失礼かも知れないが、ふと同じ画像を見ているように思える。私は女性の詩集は殆ど読まない、読めないが彼女の詩集はなぜか読めた。言葉の跳躍や飛翔が何故か見えた、と言ってよい。もう少し若くて元気ならソウルまで会いに行くのに、、、、

      済州島

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