ふと思い出す

 何故Gの妻君は私の電話番号を知っていたのだろう?入社仕立ての私の携帯電話番号を何故?誰かに聞いたに違いないがまだひと月も経たない私の番号を。そして私がどんな人格かも分からないのに秘密を話したのか、まだ分からない。そのことで何か良くなったのだろうか?そうは思えない。自分の家の恥みたいなことを顔も知らない男に打ち明けたのか、正平は白い息を吐きながら思い出していた。いくつかある腑に落ちないことの一つである。やがてファーマシーの玄関に着いた。朝1番なので客は太った男一人だった。

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