「蒼穹の昴」

文庫4冊読了。李鴻章、袁世凱、康有為、西太后、11代光緒帝、伊藤博文と実在の人物が出てくる清朝末期の小説は資料の許す限りの史実と小説家の想像、創造力の賜物である。
王逸と言う夢破れた進士(科挙通過)が放浪の末、毛沢東と出会うのは、さて史実なのか、わからないが、小説家の史実から探る、見えざる歴史の暗部への慧眼が見てとれる。
我が司馬遼太郎さんは、後年、史実と異なるとの讒言で歴史小説の筆を置いたらしいが、小説は小説である、ロマンである、と何故居直れなかったのか、と思う。
我々は、少なくとも私は、あそこは史実か、あれはほんまかいな、とか野暮なことは言わない、いや言う術がない。
歴史は面白く読む、が全てである。

吉川英治の「三国志」、少年時代、あの英傑たちの話にどれだけ、武勇の士に、いかほど恋い焦がれたことであろうか!
次は「天子蒙塵」
 
 

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