コリーニ事件(2019、ドイツ)
映画を観る前に、その映画の知識があった方がいいか、ない方がいいか、分からない。
どちらもいいし、どちらでもいい、と思っている。
この映画も、何の知識もなかったが観た。
2001年のある殺人事件の話。
ライネン弁護士は新米の弁護士である。コリーニの起こした殺人は動機が分からない。
一切黙秘、弁護士とも話さない。
ライネンはその動機を探る。故殺と謀殺では刑期がちがう。国選弁護のライネンは少しでも刑期を少なくと、考える。
初めの20分ほどで、私はこの映画は「弁護士の倫理」の問題を扱っているのか、と思った。殺人者を弁護する弁護士の立つ位置、とか、弁護士は結局は誰の為に弁護するのか?とか。
コリーニの殺人には原因があった、激しい殺意には、その理由があった(頭に3発ワルサーP38で、そして顔を骨が崩れるほど、踏みつけた)
1944年にコリーニの故郷イタリアの小さな村で、彼の父親はナチス将校によって「テロで死んだドイツ軍兵士の二人の報復で20人殺す」その一人に入っていたのだ。然し、なぜ半世紀も経って報復か?
その理由は1968年に出来た法律である。故殺の時効が20年と決められたことだ。コリーニは
その将校ハンス・マイヤーを戦争犯罪で訴えたが却下された。
この映画はその法律の不条理を訴えたかったのだろうか?
観終わった私は、ドイツ人は「ナチスの犯罪」を永遠に原罪とするのだろうか?と。
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