映画「負け犬の美学」仏映画

スティーブは45歳のボクサー、13勝33敗3引分の戦績である。欧州チャンピオンを目指す若手ボクサーのスパーリング相手になる、言わば噛ませ犬だ、金の為だ。平時の仕事はホテルのレストランの雑用係である。無論、ボクシングだけでは食えないからだ。長女にピアノを買ってやりたいが、そのピアノの月謝もまともに払えない。
女房には50試合で引退と告げてある。その欧州チャンピオン戦の前座の試合が回ってくる。さて50試合目の結果は?

私達はチャンピオンとか世界ランカーしか見ていないが、こんな選手が一杯いる、いやこんな選手ばかりである、栄光の舞台は小さく狭い、スポットライトを受けるのはほんの一部であることを知らない、いや知ってはいるが、そんな裏の舞台は見たくないはずだ。
フランス映画と言うのはハリウッドとは違う、そう言う無名人生の機微、脚光の裏側、家族のたそがれにスポットを当てる、フランス映画の存在感はそう言うところにある、とおもう。
勝者ばかりではない、勝者の裏には敗者がいる。
(by WO WOW)

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