クライマーズハイ

横山秀夫に同名小説があるが、山登りしていると、すごく元気になったような気分になる、それがクライマーズハイ、歩くときもそれはある。ランナーズハイもある。
たとえ軽登山でも、スタートして10分ほどしたら、高揚してくる、心肺機能が上がっていく、アドレナリンが噴出していく過程がある。
それが過ぎて歩きだすと、現実と虚空、現世と黄泉との区別が分からなくなる時間が来る、もちろん一人行の時に限られる。自分がコクーンの中で彷徨ってるようだ。
「山人譚」では、疲れて空腹の猟師が幻影幻聴をみる、聞くとある。雪女もその一つのはなしだ、と。

 あれは20年以上まえ、「八経ヶ岳」からの下山時、飲み水がなくなり、疲労困憊のあと、やっと水飲み場に着いた時、ふと対岸の岸壁に桜の花が満開に見えた、8月終わりである。車で帰途に着くまで消えなかった。

まあ、言ってみれば「人生そのものが幻視幻聴かもしれないが」
いや、そう思いたいのかも知れないね。

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