そして奈津子とも関係が出来た。芳美はメモや電話で連絡してきたが、なんだかんだと断っていた。やがて奈津子との関係が彼女の耳にも入った。小さな会社だから問わず語らず分かるようになる。何げない仕草に狎れがでる、お茶を出す時の目の動きとか、ふと手が触れ合った時の反応が他人から見れば不自然に見えるのだ、とくに気になる人の場合はそれが分かりやすくなる、てことだ。
「今日はどうしても話しがある、来るまで帰らない」と言われて、居酒屋に行った。梅田の二号館ビルの地下にある居酒屋には芳美ともう一人の女が待っていた。「瑞恵です」と自己紹介した。店は賑わいの少し前か、まだ静かだった。
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