空堀通り ②
やがて、逢瀬も飽きてくる。だんだん日にちが大きく開くようになる。大槻はもう新しい相手が出来ていた。高知から来た奈津子と言う女だった。奈津子は30代の終わり、離婚して女の子を育てている。経理として入ったが今は商品の納期管理をしている。口を聞くようになったのは忘年会からだった。あまり話したことをみたことが無かったがその日はよく喋った。たまたまくじ引きで席が隣になったからだ。彼女は普段見ているよりも近くで見れば顔も整っている、会社での表情と違うからだろう。先輩のこと、上司のことなど話すうちに非常に打ち解けた、と言ってよい。そしてもう抜け出してホテルのバーに行かないかとなった。新阪急の地下の「リード」がいい、となった。大槻は一度だけ行ったことがある。
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