僕らが子供の頃
今そんな景色を見ることはない。コロナだからではない、そんな路地が無いし、裏庭がとなりと地続きという風景が無くなった。
昭和30年、近くに焼け跡、病院が空襲で焼け壁の一部がタイル付きでまだ残っていた時代だ、そこで遅くまで遊んでいた。
そこの裏壁から見える田んぼ越しに夕焼けが綺麗に見えていた。
少年が1人まだ陽の沈まぬ時間を長く見ていた。
その場所も今は一戸建てが数軒並んでいる。
遊び場だった寺の柱は風雨にさらされ、銀杏の樹は老木になった。村は「街」になり少年たちは老人になった。そして誰も居なくなった。
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