映画「おもかげ」...

 

2020、仏、西。

元夫と二人で旅行中の6歳の息子イバンが行方不明になって10年後、その不明になった海岸のレストランで店長をしているエレナ、その海岸で癒えてない傷と共に平穏に生活しているように見える。新しい恋人も出来るが、やはり楽しむ生活にはなれない10年だった。

　ある日、パリから来たジャンに失踪した息子の面影を見る。ジャンの年齢はわからないがイバンが生きていたら彼くらいの歳だ。彼は別荘に両親と兄弟二人とでバカンス生活を楽しんでいる。ある日、ジャンの後をつけていくが彼はそれに気付いて、エレナの店に来るようになる。

　39歳の傷ついた女と未成年の男の子との奇妙な関係が始まる。友情、見えない糸？勿論恋愛などではないのだが、、、

ジャンの家族が二人の関係を危険なものとし、二人を離そうとして争いが起こる、エレナは怪我をする。エレナの恋人は離れていく、ジャンはパリに帰るが、途中で逃げてくる、二人は抱擁し、またパリで会おうと言うが、エレナは「もう会わないほうがいい」と言う。

　恋人も店長の仕事も失ったがエレナはイバンの失踪の深い傷から解放される。それはジャンによって、イバンの化身のジャンの優しさにふれて救われたのだ。

　私の予想したストーリーはジャンが実の息子だった、と言うものだったが、それは映画の中では否定も肯定もしない。　ミステリーではなく、一人の女の再生の話だった。もし私の予想したようなストーリーだったら、こんなに深く考える事はなかったかもしれない。

　私のような不粋な者には分からない話なのかも、、、