ある人質、生還までの..20


 「生還までの398日」デンマーク映画。2013〜14年の実話。
 実話と言っても全てが明らかにされる訳ではないが、、

 写真家の助手のダニエルはシリアに写真家の新人として入り、2度目の入国で拉致される。その日から398日間の解放までの実話である。身代金はだんだん高くなる、ISは交渉する度に、値段を上げる。それは値下げの交渉が彼等には「侮辱」とうつるらしい。デンマーク政府はアドバイスはするが、交渉には一切応じない、それはキリがないからなんだろう。
借金、募金、友人達の支援で200万ユーロ(2億3000万円)
でダニエルは解放される。勾留中、知り合ったアメリカ人のフォーリーの死をISの映像で知った彼はニューハンプシャーの彼の葬儀で、解放の時に聞いた彼の「遺言」を、記憶を辿ってフォーリーの母や妹の前で報告する。このシーンは泣ける。
 宗教が生む不条理、理不尽、悲劇、如何にしても手の届かない不明なる悪、涙無くして見られない、が私達はその現実とは遠くにいることを映画館を出た時に感じてしまう、つまり私はその感動の中に居ながら友人の待つ大阪行きの電車に乗れる訳だ。(宗教が生む、これが失礼ならば、宗教の違いが生む、と)

 追記、ジャーナリストの拉致については「自己責任論」がある、しかし、彼らのワークによって、我々はシリアの内実を知る事が出来るのも事実である。

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