映画「ラスト、、、a7


 2018、フィンランド。
いい映画を観た。「ラストディール」副題「美術商と名前を失くした肖像」

 オラヴィは晩節を迎えた画商である。一人娘のレア、孫のオットーとも疎遠である。オークションでロシアのイリヤ・レーピンの名作を見つける。サインはないが真作とわかる。最後のディール、勝負に賭ける。金策して1万ユーロを作り、その名画「キリスト」を落札する。
コレクターに12万ユーロで売却の話が決まるが、オークションの社長の横槍で話は破談となる。失意のうちにオラヴィは死亡する。遺された「キリスト」はオットーに、と遺言する。その名画を手に入れるのにオットーが居なければ無理であったかも知れない。

 話はハッピーエンドではない、しかし、娘と孫との関係はその名画によって復縁となる。
 イリヤ・レーピンはロシアの実在した画家である。ムソルグスキーやトルストイの肖像画も描いている。モスクワのトレチャコフ美術館に多くの作品は所蔵されている。

 大した人生では無い老人が、最後のディールで大儲けは出来ないが家族の絆は取り戻せた、一番大切なものを人生が終わってから手に入れることが出来た。ラストディールは家族への賭けだったのかも知れない。
良い映画だった。
トレチャコフ美術館にも行きたくなった。

私ももう少し早くに「絵画」に目覚めるべきだった。私にとってのラストディールは、、、、

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