「離婚」て、、


 「離婚?大したことじゃないよ、まあ電車を一本乗り遅れたみたいなものだよ、最終電車じゃなければね」
「そんなことなの?」と美智子。
「だってさ、友達はいっぱい別れるでしょう、小学校、中学校、高校大学と、沢山できて沢山離れるじゃないの」
「それと同じ?」
「そんなもんだと、思いなさい、て事だよ」と恭介。
「人生の大きい部分を一緒に生きる、それが電車と同じ?ありえない」
「そんな事を言うのは美智子が真面目てことだよ」
「普通だと思うけど」
「そうか、君は良い生き方をしてるんだね」
「恭介さんも良い生き方してるじゃないの?だって自由気ままだし、いっぱい女の人口説いてさ」
「それは寂しいから、の裏返しだよ、一人の人が居たらそれはもう終わりにしていいんだよ」
いつのまにか窓からの景色は街灯の灯る時間になっていた。

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