「石に泳ぐ魚」


 柳美里(ゆうみり)の処女作を読んだ。私は知らなかったが、何かでこの作品のモデルが出版差し止めの訴訟を起こしたことを知ったから。私が読んだ作品は書き直したものである。この作品も差し止めを訴えたが、却下されたらしい。劇作家の女主人公の一人称作であるが、私には面白かった。性の描写や男、友人、知人のそれが逐一何かに喩えられて表現されてる、その筆致が私には合った、ツンと来たと言うべきかもしれない。
 過去にも彼女の作品を読もうとしたことがあったが最後まで読めなかった。思い起こせば、風呂の壁をナメクジが這い回るような表現に辟易したから、と、思う。受け取る私が何か変わったのかも知れない。
 今回で、また読む気になった、それとソウルに行きたくなった。もう10年いや15年以上行っていない。


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