城下雑感

 老婆がモーニングを頼みました、店主はもうその時間は済みましたと断る。食事がしたい老婆はランチは欲しくない、モーニングが食べたかった。老婆は引き上げた。11時6分。

大手門の前で、老妻がタクシーのドアをノックする。運転手はダメと言う、予約済みか貸切だろう。後ろに妻の亭主が杖をついて歩いて来た。またドアを叩く、その歩き具合では駅まで2時間はかかりそうだ。やはり運転手はダメと手を振っている。妻は、多分「おとうさん、そのタクシーはだめよ」とたしなめる、が亭主はなかなか諦めない。だれも悪くない、仕方ないことなのだ。                    
11時55分。                 

 


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