全共闘時代

 西宮にメソジスト系のクリスチャンの大学があった。一人の少年から青年への移行期の男がその大学に居た。その田舎の男は「国際問題研究部」と言うクラブを選んだ。ベトナム戦争、文化大革命、南北問題などが研究テーマであった。やがて学園紛争が始まり、全国的に大学封鎖が連鎖した。この大学には5号別館と言う大教室の集まる建物があった。そこは封鎖学生達の砦であった、やがて機動隊が実力で封鎖解除に来た、屋上からの石の落下で機動隊員が一人死んだ。しかし、その解除の仕方は熾烈を極めた。それを見ていた田舎出の男はやがて全共闘運動に埋没することになっていった。権力の実態を見た気がした、そして許せなかった。

国際問題研究部はその後数年で廃部となった。理由は知らない。

コメント

人気の投稿