淡駕島  第二部  (1).

大阪から10kmほど西にあるキリスト教系の大学に通い出したが、なぜこの大学を選んだのかよくわからない。卒業するまで分からなかった、いや今も分からないと思う。そのことは大学やそれからの就職、いや人生そのものに折り合いがついて無かったのだとおもう。神戸と大阪の中間の私鉄の駅から北への支線がある、それを二つ乗るとその大学はあった。その中間の駅に恋人がいた。と言っても恋人と相手は思っていたか、どうかは分からない。その中間駅から南に三つ目の駅に労働者の飲み屋街があり、1000円を持ってよく行った。そのお金で充分に飲めたし存分に酔えた。帰りはその中間駅で降りて彼女の下宿に行った。
 朝飯が必ず味噌汁とコーヒーとパンだった。その不思議な組み合わせが新鮮だったと思う。月に二、三回は泊まった。酔っ払っているから、何もしないで寝ることが多かったが、彼女は嫌な顔も嬉しい顔もしなかった。あまり、話をしない女性だった、面白くもないが、何も言わないのがよかった、付き合っているのか別れたのか分からない関係が二年は続いた。


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