後藤正治

 この人を知らなかった。沢木の対談集で知った。「拠るべなき時代に」と言う自身の最新のエッセイ選集があったから借りた。面白い、藤沢周平、司馬遼太郎稿が特に良かった。1946年生まれとある。カバー裏の「老境の、心弱る日もあるが、それでもいま一歩、足を運びたく思う」と言う一文に同世代の趣を感じた。
 向田邦子、深代惇郎、平尾誠二、野村克也、などの稿もいい、この稿によって知り得たことが多かった。

 彼はノンポリだったらしいが、全共闘世代だ。
 反戦反◯、反戦反✖️、を旗頭としてあった私たちの時代が、戦後70数年、戦争の無かったこの国であったことに幾ばくかは寄与していたと思いたいね。

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