開高健 その2


 
「輝ける闇」
一つの山を描くのに、俯瞰した形から描く人、木の繁り、葉っぱの形や量から書く人、いろいろいるが、開高はその土の湿り気、土の下に蠢くみみずから山を表す作家である。
「荒んで厚くなった皮膚が一触れごとに爪のしたでめざめ、まるで傷口に張った薄い新生皮の様に敏(さと)くふるえる、、、、」「嫌がってもがく、、腿をひらいて鳥の巣の下にひそむ果心を私はしゃぶった。それは濡れしょびれて、ひらき、熱かったが、つつましやかだった。、、、」など彼の表現を真似したかったが、とても無理だった、ヘリコプターでF35を追跡する様に無謀なことだった。だから、今でも開高健を読む事ができる、と思う。
 戦争の持つ、無意味さ、意味の無さをベトナム戦争従軍作家として書いた小説、なぜ早く読まなかったのだろう?
追記、開高の性描写を読むと、まるで私のそれは「園児の教科書」のようだ、しかし、経験は私の方が上ではないか、と、、、、全ての面で彼には負けているがこれだけは、、と思う。

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