散歩の途中で


 散歩の途中にG君に会った。この街に住んでいるから年に一回は偶然会う。挨拶はしない。大阪で、とある老舗の息子だった。バブルで何億かの遺産を無くして尾羽打ち枯らしてこの街に居る女房の郷に逃げ込んだ、とのことだ。もう15以上前になるが、「老人ホームのことで女房に電話してくれ」と電話があった。「お前ね、人にもの聞く、頼むのに電話して、とはないやろ、お前にそれだけの義理もない」と言った。その女房から電話があった。私は生まれてその歳まで、こんな無礼な女を知らない。「あんた何処に勤めてるの?」と。もう話しする気も失せて「そんな話し方でも応対してくれるところへ電話しいな!」と切った。この亭主にてこの嫁あり、またその逆か、飾磨の女はみんなこうなのか、と思ったね。まあそれ以来、彼に会っても、いや見つけても知らん顔をしている。かってはスーパーの押し車て言うのか、の整理をして糊口をしのいでいたらしいが、今は知らない。女房は資産家だから食わして貰えると思うが、そんな横着な女だからどうしてるか分からない。彼を見るたびに未だ見た事のないその女房を思い出し腹立たしい。あまりしつこくない私がこれだけ思うのはこの女くらいだね。

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