下関駅には水槽があった  3+

 「沁みる夜汽車」(BSNHK)で駅は下関が舞台だった。50数年前、学校や将来に不安を感じた私は山陰に一人旅に出た。何処だったか忘れたが、あれは海の見える旅館に泊まった。寂しい漁村だった。女将は「自殺でもするんじゃないか」と思ったか、なぜか部屋によく来た。一泊して「さあどうしょう」と思って、ふと下関水産大学に行っているK君を思い出した。山陰本線で下関に着いた。彼の彼女とその彼女の友達のやってるスナックとか、鮑や栄螺の飽食で2日間本当に楽しい思いをした。下関から山陽本線で帰ってきた。当時の下関駅には水槽があった。小さな水槽に淡水魚がいっぱい泳いでいた。そのことだけは鮮明に覚えている、とそんな事を思い出した。K君はたしか50代はじめだったかに亡くなった。いい奴だった。

帰りの列車は夜汽車だったか昼間だったか覚えていない。      3+

コメント

人気の投稿