奄美未練情  ③

 観光客向けの大きなレストランは郷土色たっぷりにつくってあり、椰子の実やそてつの植え込みの中を進むと20席ほどに料理がセットしてあった。私の前は二人の男性老人が仲良く話をしている、もう友達になったようだ。一人旅の人には二つのタイプがある、私のようなタイプと彼らの様なタイプだ。私の隣はたしか伊丹のベンチでも隣りで座っていた婦人だった。鳥飯て言うのは鳥や卵焼き、椎茸やらをご飯に載せてその上から鳥で出汁を取ったおつゆをかけるもの、腹が減っていたせいもあって美味かった。時間が20分ほどあったので砂浜に出ると椰子の木の下に一人の少女がじっと座っていた、何が理由か分からないが長いこと私がそこから離れる時はまだ座っていた。海岸をあのベージュの女性がスニーカーを脱いで波に足を洗われながら歩いていた。

少女は動かないまるで塑像のように。


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