奄美未練情 ⑨
ホテルを5時50分に出た。店はすぐに分かった。格子ガラス戸を開けると「いらっしゃいませ」と三人ほどが声を揃えた。名前を言うとL字型の短い方のカウンター席に案内された。あとカウンターが5席ほどと小上がりが2卓ある、2階もあるみたいだった。全体がさっぱりした小綺麗な印象の店だ。和服の女性が「いもーれ」と、怪訝な顔をしているといらっしゃっい、て意味ですよと笑った、感じの良い笑い顔だ。ビールをと言った。コップに入れたところで天崎さんが入ってきた。白いコットンパンツに薄いピンクのTシャツで日傘を折り畳みながら入ってきた。奄美というのは南国だけど思ったより暑くはなかったが日差しはきつかった。
「今日はお誘いをありがとうございます。実は一人でどうしょうか、と、、、」
「いや、一人で飲むのもなあ、と考えていました」
「お名前は北山さん、でしたね?」と
「はい、じゃまあとりあえず乾杯しましょう!」
「はい」と彼女もコップを上げた。30時間ほど同じ旅程を過ごしたが、まだどんな人かわからない、他人からは二人はなんて見えただろう。
「私は姫路から来ました。一人旅はよくします、まあ最近はツアーばかりです。」と差し障りのない話から始また。
「私は大阪からです、天崎です、よろしく」と。
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