奄美未練情 ⅩⅢ
「まだ続きがありますから伺います」と。
彼女はつまみと奄美焼酎の小瓶を手に下げて部屋に来た。椅子を勧めコップを用意しベッドに腰を掛けた、窓を背にして座った彼女の顔に月光が逆光になり青白く見えた。
「それでね、私は何を信じていいのかと思うようになってこれから何を信じたらいいのかと思ったのです」と一気に話した。
下手なことは言うまいとしばらく黙っていた。するとまた話しだした。
「死にたい、と言うのは義母への怒りもあります。義母は彼のことを怒りません。盲愛ていいますか、母子家庭でしたから息子を溺愛してるんです。普通は私に謝るものじゃないでしょうか?」この辺りになるとなんか普通の女の世界の腹立ちみたいで少し失望しかけた。
「でどうするの?」と私「真実は?」とは聞かなかった。
「分からない」と彼女
「明日帰るのでしょう?」と私
「、、、、」沈黙が続いた。
月が西に消えて天井の灯りだけになったから彼女の顔はのっぺりしてきたように見えた。あまり美人でもないなあと、横顔と正面からでは違うことはよくあるが、時間は10時近くになっていた。今は静岡にいる歯医者の奥さんを思い出した。彼女は離婚裁判中かな、あれはどうなったのか、と。
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