祖母と伯母   

 毎年、年末にK町の母親の実家で餅つきをしていた頃があった、楽しかった。祖母と伯母、二人が他界してからもう半世紀になるが折々に二人を思い出す。祖母は若くして連れ合いを亡くし、伯母と母を一人で育てた。まあ母子家庭であった。祖母は伯母に子が無かったので、次女の長男の私にはことの他優しかった。伯母も同じく私を実の子供のように可愛がってくれた。学生時代、西宮から帰宅すると、実家の前に伯母の家に先に寄った。寄ると必ずお小遣いをくれた、1万円だ。当時、大卒初任給が3万円代だった時代だ。伯母も40代で連れ合いを亡くした。伯父は厳しい人だったが、子供が居なかったから、私をよく書写山に連れて行ってくれた、電力会社の労組の役員をしていた、と思う。夏、冬の付け届けが裏の納屋に山のように来ていた。高校生の時に、ビールの栓を抜いて飲んだ、こんな苦いものの何処が美味いのか、と思った。やがて、ビールが美味いと分かった。その頃には祖母も伯母も居なかったが、、、

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