10年かそれ以上  ❸

 昔の話には罪はない。初めて会ったのは彼がアシックスの前身のスポーツ衣料の会社にいた時。私は繊維二次下請け会社の営業として彼に会った。同じ大学ということもあり、飯を食うようになった。彼曰く、たしかミナミの笠屋町にあった「欅」というラウンジに行ったのがことの始まりだ、と。そこで女性が侍る接待を知り、そう言う世界に溺れだした、とは彼の弁。それからしょっちゅうスナックやクラブに行くようになった、と。それまでは石部堅吉鉄太郎、が狂い出した、と言う。30代終わり頃かな、いわゆる「七つ下りの雨」て言うやつだ。その後キタからミナミのミズの女を口説きまくった、てわけだ。まあしかし、それは本人次第で、いずれ そうなったと思うけどね。まあ何せ、湯水のごとく金を使ったね。しかしね、あれだけやれば「堂々たる人生」だね、そう言ってあげました。イイ人です、女に優しい、約束は守る、人生の道は少し逸らしてしまったけれど、、、、愛すべきひとでした、(まだ生きとる)ほんまに。

(七つ下りの、、七つと言うのは夕方です。遅くから降り始めた雨はなかなか止まない、てことです)

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