堀渡る

 駅南通りでメガネの汗を拭いているとG君が通り過ぎた。ニヤッとしているように見えた。彼のスノッブなところと長幼への礼儀のなさ(私にではないが)で長く付き合いはない。もう口を最後にきいて10年は経つだろう。今から病院の清掃に行くのだろう。かってはゴルフ場の会員権を札束のように持っていた時代もあったのに、やはり老いのしるしは顔にも出ていた、一瞬ではあったが。 

 もう4〜50年にもなるのに、いまだに思い続けている、私もしつこいのかもな、と堀端を歩いた。

堀渡る
涼風むなし
歳を経て
尚里

来てみやがれ
認知症に
熱中症

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