藤沢周平を読む     4→

 テレビで観た、そして読んでいる。 それは
「用心棒日月抄」、国元の家老の不正を見破り、許嫁の父を切ってしまった青江又八郎が江戸で糊口をしのぐために用心棒稼業に身を置くと言う話。時は元禄14年、吉良浅野の刃傷沙汰を交えながら話しは進む。読み易い文章で、でありながら人情の機微、男と女のあやを描く筆致は多くの愛読者がいることを首肯させる。
 山形出身でそのような男女の機微を感ずるような環境があったとは思えないが、恬淡としたなかにしたたかな激情が読み取れる表現は"名人"とよべるかも知れない。時代考証もあまり仰々しくもなく愉しい読み物となっている、こんなふうに書いたら藤沢周平フアンにはお叱りを受けるかもしれないが、冬の陽を浴びながら縁側で読むのが最適な時代小説である。

(書評、映画評以外は全て想像上のトピックである。個人的な誰かを特定して書いたものではない、あくまでhalf seriousである、ことを!)


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