ヤマトヤシキ大昔


 ヤマトヤシキの大手前通り側の南入り口から入るとすぐに資生堂の化粧品売り場があった。並びには何社かの化粧品売り場があった。O君に無理やり付き合わされて資生堂の、あれはチャームガールて言うのか、女性店員に会いに行ったのは高校二年生の時だった。彼女の歳は24〜5くらいだからそんなに差があったわけではないが相手は大人の女だし、働く人だったからそんな人がO君の相手をしてくれるとはとても思えなかったし、何よりもうぶな僕は恥ずかしかった。O君は「可愛い子」と呼んでいたが、その人は綺麗な人だった、何より驚いたのは彼はもう二、三回は一人で会いに来ているようで彼女も笑顔で応対していた。彼女は小豆島出身でたしか美由紀と言う名前だった。売り場のカウンターの前で少し話をして売り場を離れた。O君の大胆さや彼女のさりげない応対にびっくりした。その後、彼女とはどうなったのかは知らないが彼は時々美由紀さんとのことを話してくれた。高校生相手でも大人の女の人がきちんと話ししてくれるんだと思った一つの事件だった。O君とは高校を出てから会ったことがない、今現在生きているのかどうかも知らない。

コメント

人気の投稿