街を歩くと

 例によって小用で街を歩くと、出勤のサラリーマンとかが大勢歩いている。前を歩く女性の足元を眉間に皺を寄せて見ながら歩く男、立っておにぎりを頬張っている制服のタクシー運転手、どこか歩く姿がぎこちない細身の若い女、前に赤ちゃんを抱えたロングヘアーの綺麗な女性、駅のベンチで倒れ込むように寝ている老女、この人達の今日1日に思いを馳せる。
街は静かでまだ半眠りのようだ。よく行っていた蕎麦屋で店員が机を拭いている、最近あまり行かなくなったなあ、と通り過ぎる。街は静かに午前をやり過ごす。帰りの道には頭部から汗が出て来た、もう夏だなあ、と思いながら空を見上げたら曇り空に明るい部分が少し見える、今日は雨かな、と声にしないでつぶやいた。

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