男鹿島    (17) ..


 魚は例えばハマチのようにブリ、そのあいだのツバス、ワラサと呼ばれて出世魚と言われる魚は多い。また地域によって名前が変わる魚も多い。コハダ、コノシロ、ツナシと関西関東で呼び名が違う魚もある。シイラなどは中国地方ではマンサクとよばれたり、クマビキとかシラと呼ばれたりする、ハワイでは有名な「マヒマヒ」だ。
 この島の地方ではハマチの別名はブリだが、なかなかブリの大きさになるまではこの近海にはいない。殆どがハマチと言う名前で通る。
 我々の養殖時代は30cmくらい、250〜300gで出荷していた。夏の終わり頃には、生鮮船で岬港(姫島港から東に4kn程の漁港)まで運び、陸揚げしてすぐ締めて、ホース付きのトラックで大阪福島の市場まで運んでいた。島を2時か3時に出て、港から大阪福島まで1時間と少し、朝の6時には市場に送り込んでいた。そのころの労働時間は15時間なんてザラだったが、それでも楽しかったし、辛くもなかった。若かったのだろうね。陸揚げした時には何匹かは死んでいて、その場で刺身にしたり醤油や味醂で炊いて、熱々ご飯と食べる、夏の早朝、それは美味かったに違いない。
 岡山や高知にいく海上の飯はカレーが多くて、肉の代わりがソーセージだったが、カレーならまだご馳走で、朝は醤油メシ、昼はソースメシ、夜はマヨネーズメシもざらだった。それでも飯は美味かった。若いからそれでも2杯3杯とたべた。

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