男鹿島 ④

 しばらくすると、軽四で迎えてくれたまゆみさんがジュースを持って入ってきた。これからの仕事の内容の説明だった。

7時起床、7時半食事、バンガローの掃除、姫山港からから来る荷物を下ろすこと、前店の掃除、整理、開園は明日からだが、予約は第一土曜日の3日から、などなどを説明した。あと7月中頃からは天理大学の学生が一人アルバイトとして来ること、坊勢島から二人程助っ人が来ること、ここには私と妹の麗と母親とおばあちゃんが同居する、と説明した。最後に今夜は6時から食事で父も来る、と話した。

僕はその麗さんを早く見たかった。山村はよく分かっているよと言う顔で聞いていた。

　

本町の事務所は地下鉄、堺筋本町駅から歩いて二、三分で行ける。幸市が此処に事務所を構えたのは山岸賢三のおかげだ。小さな商社で卯建の上がらない幸市を小さな会社の社長にしてくれたのは取り引き先の社長、山岸だった。