男鹿島    (14) ア

 初年度1億ほどの売り上げから2億4億とバイバイゲーム、順調に順調に会社は大きくなった。事務所の手狭さと商品の管理に倉庫を借りる事になった。門真に60坪程の倉庫を借りた、内環状線に近い便利な土地で比較的安価な借料だった。デパートのバイヤー渡海の紹介だった。

 輸入品には不良品がでる。特に小物は不良品が多い。当初は一々返品していたが。運賃、L C更新等々お互い無駄が多く、値引き再納品で対応していた。しかし、こちらで検品して、不良品を返品する方が、お互い効率的となった。不良品はサンプルを送り返し、値引き等の処理をしたが、そのうち輸出先からはそちらで処分してくれ、となった。初めは実際に処分していたが、パートの女性が捨てるなら一つ欲しいと「小さな水牛」の飾り物を手に持って来た。

 置物、家具、額縁、小から大まで、そのうち倉庫を半分くらい占めるようになった。ほとんどタダ同然で手に入った。そしてそのタダと言うのが怖いことになる。タダほど高いものはない。

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