国家と国民と   ..

 1960年代、在日コリアンの北朝鮮帰国事業が始まった。「理想の天国」を信じて10万人程の人が北朝鮮に帰って行った。私は10代だったが少しは記憶にある。決して北朝鮮は天国ではなかったが、、、、
 朝鮮戦争後、いわゆる冷戦時代であった時代だ。国情も後押ししていた。当時の岸内閣は国民の不満の一つを解消するべく「コリアンを祖国に帰す」と言う美辞のもとにこの事業を進めて行った。 
その20年ほど前、1930年代終わり、ナチスはポーランドに侵略、ユダヤ人を300.とも400万人とも言われる数を殺している。ポーランドの亡命政権はイギリスに逃げ、このユダヤ人虐殺をゾンダーコマンド(ユダヤ人ドイツ軍協力者)からの情報により連合国側に報告して、助けを求めた。アメリカ、イギリス、アイクもチャーチルも共にこれを無視した、無視せざるを得なかった。なぜなら、もしドイツがユダヤ人を追放すると言い出したら、すでに避難してきたユダヤ人への自国民の不満を増長させるからだ。
 30年の違いはあるが、この二つは国家の選択が不幸、悲劇を助長したと言えよう。
それは現在にも繋がっている。シリア難民のトルコでの扱い、EUでの扱いを見れば。そう、トランプのアメリカもそうである。

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