男鹿島   ⑩

 6時起床、7時から食事とミーティング、8時に生鮮船に乗り、養殖場に向う。餌やり、網の交換、稚魚の仕入れ、餌のイカナゴや鰯の冷凍物などなど、養殖に慣れてきた頃に、本格的海水浴シーズンは始まった。最初の団体は派手な団体で女も男も派手で、やかましくて、しかし面白いにいちゃん姉ちゃん達だった。彼らが来た翌日、簡単な掃除に行くと、アロハシャツ模様のワンピースの女が部屋で寝ていた。みんなは浜に出ていき1人残っている。「ぼうやアルバイト?」と眠そうな小さな声で聞く「はいそうです」と。
「学生さん?どこの大学?」 
「はい関学です」
「そう弟と同じ、学部は?」
「商学部です」
「同じ、何回生?」
「一年です」
「同じや」
そこまで話したら、まだ話ししそうだから、
「仕事あるんで」と部屋を出てきた。
二日酔いがひどく、とても出ていく気にならないそうである。その話を山村にしたら、
「お前チャンスやったのに、おれは去年いい事あったんや」と、去年の出来事を話した。
ちっとも面白くも無い話しだったが、、、、


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