やはり神戸

 関空に到着地が変わるかも、と言っていたが、予定通り神戸空港に10分遅れで着いた。ポートライナーに乗ると矢上さんがいる。

「どうかお元気で、また何処かで会えるかも、ですね」と私、やはりアザト君ですね。もう会うこともないでしょうが、寡黙な人でしたね。三ノ宮から新快速に乗ると通勤電車の客は静かにただハンディフォンを触っていただけでした。日常はしずかにそして音もなく過ぎて行くのです。

飛行機のシートは3人席の窓側で通路側にはうら若き女性が座りました。

「もし良ければ窓側と代わりませんか？」と私

「いや通路側がいいので」と女

「あっそうか、他はほぼ3人なのにここだけ二人なのは貴女が通路側を選んだからですね」私

「そうですかね？」女

飛行機から降りる時からエレベーターへとずっと前後して一緒だった、エレベーターで

「お先に」と言ったががんとして

「お先にどうぞ」と譲らなかったなあ。

"北のカナリア"ならぬ北のカラスでしたかな？上から下まで真っ黒のコスチュームでした。