風が去る

堀の橋のたもとから
一人の少女が
駆け降りてきた
ポニーテールの少し日にやけた
美しい少女
自転車でそばを走り抜けた
小さな風に乗って
少し甘く
少し切なく
透明な風
もう
私には
放つことも
醸し出すことも
出来ない風

少女は風を振り切って
駆け抜けて
去った


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