病院記  ①

 入り口の検温機を過ぎると診察券を機械に入れる、すると、その日の診療や検査内容が印字されて出てくる、地下の受付に行く、名前を言う、黄色いクリアファイルに入れて〇〇番に行って、と言われる。検査場はX線などのためか全て地下にある。予定時間は10分と狂わない、効率的である。

無音の検査室は空気清浄機の音か何かのモーター音だけが聞こえる。検査技師は何も言わない、時々目を開けると四角い検査機が胸の上でただじっとしている。他は天井が見えるだけだ、時間が動いてるのか止まっているのか分からない位に静かである。この検査は恐らく5回目だ、パジャマの様な検査服を着ることしか覚えていない、この検査が一体何を調べているのかもよく分かっていない。しかし、過去4回の検査では問題なかった、と言うより進行していないと言ったほうがよいのかも知れない。


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