古庄村物語 その4

 この村に来るようになったのは我々のグループの一人、友坂の母親の故郷だからである。彼の母親の実家が宿から歩いて数分のところにあり、行き始めた当初は友坂の従兄弟がよく我々と一緒に酒を飲んだ。その従兄弟が当時村長であった。村長と言ってもあまり酒癖のよく無い人で、大きな声で喋る、まあそれでも愉快な男だった。ある時など、歩いて数分の自宅に帰れなくなって迎えに来てもらった時もある。
 思い出は尽きない、一人が夜中行方不明になるとか、小川で三人が半日近く釣りをしたが魚の影を見たことはなかったなど。車で15分ほどのところに玉泉寺と言う真言宗の古刹がある。「大山れんげが咲くんです」と住職の奥さんが説明してくれた、それだけ寒くなると言うことだ。黒崎は八経ヶ岳の「大山れんげ」を思い出した。その女性からボタンと芍薬の見分け方を習った、がもう遠く忘れてしまった。
歌碑は写真の右手にある。
都人 
たれ踏みしめし
この道を
    だったかな?その後は?

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