キリコのタンゴ

霧子でも桐子でもありません、キリコですデ・キリコです。。彼はイタリア人でギリシャで1888年生まれです、90歳で死にます。そして奇怪な絵を描く人です。凡そほとんどの画家は後年アブストラクトだのシュールだのと自然界に無いものを描いたりしても、最初は正確なデッサンからはいります、ピカソもそしてダリもこのキリコもそうです。やがて哲学的、情緒的、異性または同性への愛などから変節を遂げ、後世に残る名画を描くのです。画家の画風の変遷は彼の人間としての意識や哲学の変化の歴史です。


この「オデッセウスの帰還」を見て下さい。不自然な遠近法、描かれた絵画の意味、窓からの風景の暗示するもの、扉の外は?またクローゼットの意味するところ、そしてこの室内の海、これはいくら解説書を読んでもわかりません。それはそれでいいのです。友人や家人や幼馴染みでさえ、よく分からないのに19世紀生まれの画家の頭の中が分かる筈がありません。美術展に行って一つでも印象に残る作品に出会えたらそれは素晴らしいことです。

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