古庄村物語 その7



 10月の秋祭りのシーズンになった。村の祭りと「灘の喧嘩祭り」が同じ時期になった。丁度その頃に熊本から古い友人が上阪することになっていた。昔お世話になった、というか仲良くしていた大崎老人を尋ねるべく皆で会おうとなっていたからだ。名古屋から当時の担当の女性も来ることになっていた。もう20年以上前に大阪にあった九州紡績の仕事仲間だった。今はその会社もない。大崎老人は95歳になる、まだ元気だそうだが、梅田までは出てくるほどの元気さはない。だから宝塚の実家に尋ねていく計画だ。平日はデイサービスに行っているから土曜日に、となった。10数年前にも集まって宝塚のホテルで食事をした。仕事仲間といっても取引関係があっただけなのにまた会おうとなるのはなかなか珍しいと思う、そしていい関係が当時にあった、またその関係が続いていたと言っても良いのだろう。楽しみにしていた会合だ。その老人訪問の後、梅田で食事をしようとなっている。まだまだ先だと思っていたが、その日がやってきた。秋の気配は深くなっていた。コードを忘れてから1ヶ月以上経っていた。

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