珠玉  その2

 道道無常道  
天天小有天

珠玉の2編目は「玩物喪志」。この小説の始めに出てくる対聯のことば、である。初めてこの小説を読んだのは50歳くらいだったろうか、この言葉が好きで、よく友人達に話したり書いたりしたと思う。老子の言葉らしい、道と言うものは決まったものはないのだ、絶対真理なんてない、しかし、別天地もある、ささやかな幸せもある、て言う意味だ。当時、そんな気持ちが嬉しかったかどうか思い出せないが、今聴いてもいい言葉だと思う。自分が生きる道、それが人生だ、くよくよするな、と聞こえるからね。多分この本のこんなところに救われたんだろうね。この小説を読むと「腹立たしさ」や「情けなさ」や「仮の喜び」なんてものが、つまらないものに見えてくるね。

朝顔の
蔓ものびたし
花俟つ日

道可道非常道
道と言う、真理は口にしたらもう道(真理)じゃない、とも言う。

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