「珠玉」をまた

開高健の絶作、短編三部作だが、もう3回は読んでいるが、また読もうとベッドに持ってきた。彼は34年前、59歳で亡くなっている。私が最も影響(えらそうに)を受けた作家である。とくにこの小説は四回目を読もうというくらいだから、読み易いことと、彼の世界観、女性観、死生観に共感したことであると思う。今また、芥川龍之介や大江健三郎、開高健を読むことはやはり懐かしい、そして青春の、もしあるとすれば熾火のようなものを思い出したいせいかもしれない。同じ小説を何回も読むと言うことは、その時に得られる安心感や損得なしに読めた時代への懐古であるのだろう。病に堕ちてから「読書」の量だけは増えたね。あとは減るものばかり、だけど。

     ギボウシ

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