宮本輝の     1→


 「本を積んだ小舟」読了。友人に借りてた本は返して、読み残りは図書館で借りて読んだ。
 人はなぜ小説など読んで感動するか?
それは例え古きロシアの恋愛小説であれ、山頭火の句集であれ、永井龍男の短編であれ、つまり自分の生活環境と掛け離れていてもどこかに自分の生活、苦悩、悲哀みたいなものの共通点を見出すからだろう。気候、風土、言葉、人種が違えども、人としての共通の心情に共感、感動するからだろう、勿論似たような環境ならその小説に描かれた主人公の言葉に「そうや」とあるいは「ちがうやろ」と叫びたくなるからだろうね。 
 この本は彼が少年、青年時代に読んだ本の感想文ではあるが、そのことで彼自身を語る自分史だね。
1992年刊

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