連休を歩く

 やはり、花水木は花が無くなっている。街は、今日は平日のせいか人は少ない。長袖Tシャツでは少し寒い気もするが歩いていると身体が温かくなって来る。ジーンズのショートパンツに派手なジャガード織の黒いストッキングの女が前を横切る、脚は細いがセクシーさは無い、荒んだ生活に見えるが中身は分からない、老夫婦が手を繋いで歩いている、奥さんが旦那を見上げる目には長年の信頼が現れている。若い男が風を切るように走り去る。

何処からかパッフェルベルの「カノン」が聞こえてくる。喧騒のない、静かな朝の繁華街はあくまでも
平和に見せたいようである。島崎は周りと自分の世界の間に灰色の空気層が在るように感じた。



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