あの店この店   ❻


 山路「あの尾溝筋の〇〇はどう?」
鯉田「まえはよく行ってたけど、この前、刺身がもう
   少し古いて言うか、ちょっとね」
山路「そうか、店はそう言うの、あるね、駅南の××も
   突出しの紫蘇の葉が萎れて、あれ早くから作っ
   て冷蔵庫に入れてたんだよ」
鯉田「大阪の堺筋本町の居酒屋によく行ってたんだけ
   ど、マグロの赤身がね、凍ってたんだ、たまた
   ま同席してた商社の係長がね"おい、これ凍って
   るやないか"て大きな声で喚いてね。嫌なやつ
   だったけど、また嫌になったね」  
山路「そう、いるね、そういう奴さ、しかし、××はも
   ういかなくなったね」
鯉田「僕も〇〇はもう行きませんよ、それと△△も
   牡蠣にあたってから行かなくなった」
山路「そう言うの、怖いね、人づてに聞いたら行かな
   くなるね」
鯉田「やはり、気を抜いたらだめだね、商売はさ」
山路「一度逃げた客は二度と戻らないからね」

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