ゴッホ考

 エミール・ゾラは美術作品を「気質を通して垣間見える自然の一部」と定義した。そしてゴッホは"画家は自然を模倣するのではなく、むしろ現実を作り直すのだ"と考えた。彼の1888〜90年晩年の「アルルのはね橋」「花咲く桃の木のある果樹園」などは彼の中で自然が彼の心に入りそして画として結晶したのだろう。金に苦しみ、生きることに右往左往しながらある芸術的地点に到達したところで彼は命を断つことになる。

彼の最後の悲劇性が彼の評価を押し上げたかも知れないが上掲の2作品そして「星月夜」などはどこにその狂気があったのかと思えるほど美しいではないか!
 なぜ絵画に感動するか、勿論視覚的感動がある、何よりもその画の奥に潜む画家の人生を、その感性の到達点を厭、その屈折を見てしまうからだろう!

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